マイナス思考キングさま

マイナス思考キングさま

メールを読んで「よくもまあ私とそっくりの人が居たもんだ」とビックリしました。

「自分が何をしたいのか?」「社会に出るのが怖い」「働くのが怖い」
私もそうでした。
私の場合はバブルな頃で「仕事ならいくらでもある」という時代でしたけど、でも「自分が何をしたいのかわからないのに社会に出ていくのが怖い」という気持ちは景気が良くても不景気でも同じですよね。

面接に行くたびに「本当は落ちればいい」「これで偶然受かったら働こう」って私も思ってました。
でも、受かったときの事を考えると気持ちが暗くなるんですよね…。「別にやりたいことじゃないのに…」って。

私は漫画が描けたので途中で漫画家になろうって思いましたけど、漫画家デビューした後も10年売れずに年収12万円とかそんな状況でした。
好きな事はやってるけど、前と何も変わってないじゃないって…。
漫画家になってからも、つらく暗く苦しい毎日を過ごしてました。

今、私が思う事は、マイナス思考は自分を苦しめるだけで何の得にもならないってことです。
私はツレがうつ病になるっていう、ものすごーくしんどい経験をしなくては変われないくらい、体の根っこからマイナス思考でした。
だけど、もしも変われるならつらい思いをしないで変われた方がいいと思うんです。

かなり重度なマイナス思考の人は、ちょっと荒療治をしなきゃです。
毎日良い事だけを考える訓練をするのです。
マイナス思考の人は些細な事も後ろ向きに考えてしまい、決して良い事が思いつかなくなってます。
最初はマイナスなことを考えちゃったらすぐに打ち消すようにするだけでも違います。

「あーあー、なんかやだなあ」ってつぶやいちゃったら「やじゃない、やじゃない。」って感じです。
「これから自分はどうなるんだろう?」って不安になったときは「大丈夫、なんとかなる」って口に出して言うようにします。

頭の中からマイナスな考えを少しずつ追い出して行くことが楽に生きられるカギになります。
決して「前向き」にならなくてもいいんです。
今の状況を楽しめる思考回路にできたらとっても楽になると思うんです。
今を楽しめるようになれたら自分に余裕と自信が生まれて来ます。そしたら「この先何がしたいのか?」が自然とわかるようになってくると思います。

私は35歳で自分の中のマイナス思考クイーンとうまく折り合いをつけて生きて行こうって決めましたが、もっと若い時に気づいていればもっともっと楽に生きられたのになあって思ってます。
とりあえず日記 | - | -

うつのこと

メールをありがとうございます。
「うつ」についてですが「その後のツレがうつになりまして。」で、ツレは「僕の症状は一般的ではない」と言ってますが、「うつ」はひとりひとり症状が違うのでみんなが同じ、というわけではないけど(逆に言うと、みんながツレと同じように「自分は一般的でない」と思ってると思います)うつになる状況や症状の出方、治り方など、似たようなパターンはあるようです。

ということを何故私が知ってるかというと、数日前の日記にも書きましたが、精神科医の大野裕先生とお仕事をして教わったからです。
こちらは今月、本になって出版されます。

「ツレと貂々 うつの先生に会いに行く」
細川貂々・大野裕
3/18発売 朝日新聞出版 1,155円(税込み)

それで、うつになるバターンですが、世の中では仕事のストレスばかりが前面に出されていますが、そればかりではないようです。
「喪失感」が原因でうつになるパターンも多いです。

大事な人(ペット)が亡くなった、ずっとやってきた仕事が無くなった、病気になった(健康を失った)、歳を取って若さを失った…。
このようなことも原因になります。

自分が大事にしていた何かを失う、あるいはいつもそこにあると思っていたのに無くなってしまう…ということは自分が思ってる以上にストレスになるようです。

あと、一般から見たら「お祝い」に思う事もストレスになるそうです。
結婚、出産、仕事が変わる、転勤、引っ越し…など、自分の人生が切り替わる時、ストレスはかかってくるのだそうです。

ひとりひとり、生きて来た道のりが違うように、うつになる原因も人それぞれなんだと思います。
だから人と違っていていいんだと思います。
本のお仕事 | - | -