私はうつ病を理解しているのか?

いろいろ考えたことはみんな書き留めておこうと思いました。



「ツレがうつになりまして。」という本を出す前に「うつ病の本を出すくらいなのだからあなたはうつ病を理解しているのか?」と聞かれたことがあります。

答えは「理解できてません」です。

うつ病は、なる時は風邪をひくのと同じくらい簡単に気が付くとなってしまいますが、病状は風邪とは違ってかなりやっかい。人によって病気の原因も症状も違うようですし、治るまでの年数やきっかけも違うようです……。そしてほうっておくと自殺という「死」につながってます。こんな病気理解なんて出来ません。

だから、もしかすると理解しなくていいんじゃないかなあって思います。複雑すぎてわかんないもの。

どうしてこの本を描こうと決めたのかは、いくら新聞やテレビで「うつ病は流行っている」と言われても、実際に家族や身近にうつ病の人がいない限りどんな病気なのかわからなかったから、ちょっとでも「うつ病ってこんな風になるんだ」ってわかってもらえるきっかけになるモノが作れたらいいなと思ったからです。私もツレがうつ病になるまではどんな病気なのか全然わからなかったです。

だけどうつ病はツレを見る限り、ならなくていいのなら未然に防いだ方がいいんじゃないかって思います。一度なってしまうと簡単には抜け出せなくなってしまうパターンの方が多いようなのです。ツレも2年たちましたが、雨が降ったり季節の変わり目はやっぱりダメになってます。まだ人がたくさんいる所にも行けないですし……。

でも、ひとつだけはっきり言えることは、うつ病になるってことは必ず意味があることだと思うのです。ツレの場合はガマンしてストレスを溜めすぎていたこと、そして「自分はスーパーマンでなんでも思ったようにできるんだ!」という勝手な理想像を作って型にはめてしばりつけていたツケが回ってきたこと。 病気になってそういうことがわかりました。

うーん、なんていうかすごく勝手な言い方かも知れないけど、もしもうつ病になっちゃったら、それはそれで仕方がないかってあきらめるしかないと思うんです。つらいけど、それが現実。そして病気と長くつきあっていこうと決めて生活も病気にあわせて変えていけば気楽になれると思うんです。

もうコレと一生つきあっていくのか、と思ったら逆にじゃあどうやったら楽しく生活できるようになれるか?と前向きに考えられると思うんです。「今だけの辛抱だから」って思ってガマンの道を選ぶとしんどくなっちゃうし、結局は「今だけ」じゃなくなっちゃうのだから、楽に病気とつきあう方法を考えた方がいいのではないかと思います。

なんだか、私は結局、楽天家なのかな?

細川貂々のHPはこちら http://www.hosoten.com/
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