放浪職人(Waltz)

かばん

ドイツに「放浪職人」という古くから有る伝統の修行があるそうです。NHKの衛星放送で「放浪職人」の特集番組をやっていたので見ました。



大工さんとか家具職人のマイスター(親方)になるために、放浪の旅を続けながら職人の修行をする人を「放浪職人」というんだそうです。ドイツでむかーしから伝わってる伝統的な修行の方法で、旅をするのはヨーロッパ中どこの国でもよくて、行った先の工房で仕事をもらって一ヶ月くらい修行させてもらって技術を身につけてまた、次の街に行きます。どこで修行したかは「修行手帖」を持っていてそれにスタンプと何をしたか記録をしていくのです。(修業先の親方にも一筆書いてもらいます)

放浪する時のスタイルはコールテン素材の帽子、ジャケット、ベスト、ズボン、そしてねじりんぼうの杖を持ちます。服の色は真っ黒。コールテン素材は木屑がついてもすぐに落ちるし、帽子は襟足から木屑が入らないようにするためにかぶります。つまり、放浪職人は仕事をする時も放浪職人のスタイルのままするのです。

ジャケットには6つのボタンがついていて、1週間6日働きます、という意味で、ベストには8つボタンがついていて、こちらは1日8時間働きます、という意味なんだそうです。

放浪している間は家に帰ることは禁止されていて(家族が亡くなった時だけ帰れる)持ち物は着替えと寝袋などの最低必需品のみ、徒歩とヒッチハイクで旅をします。この旅を3年と1日続けなくてはいけません。

これがすごーくかっこよい。仕事が何日ももらえない日もあるし、ゴハンも食べられなくて野宿しなきゃいけない時もあるけど、それをあえてやってみようと思う若者の姿がめちゃくちゃカッコよく見えたのでした。放浪職人は仕事の技術を身につける修行だけでなく自分との戦いの修行でもあるのです。

いいなあ、放浪職人やってみたいなあ……、でも、よく考えたら今の私は放浪職人ぽいな、と思いました。フリーの仕事って放浪職人ですよね。あちらに行っては「仕事ないですか?」こちらに行っては「仕事ないですか?」運良くお仕事がもらえたら一生懸命修行して技術を身につける。そして賃金をもらってまた次の仕事を見つけに放浪の旅……。これから私は自分の仕事を聞かれた時「放浪職人です」って答えようかな。そして営業に行くときは6つボタンの服を着ていって「私週6日働けますよ」ってアピールしようかな。

細川貂々のHPはこちら http://www.hosoten.com/
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